今や国民的ロックバンドとなった「サカナクション」。
ROCK IN JAPAN FESTIVALやRISING SUN ROCK FESTIVALなど名だたる国内フェスのヘッドライナーを務めており、
日本のロックシーンに欠かせない存在となっています。
この記事ではそんな大人気バンド「サカナクション」の音楽とライブへのこだわり、
そしてボーカルの山口一郎さんがかつてのライブで言い放った
『「GO TO THE FUTURE」は二度とやらない』発言から見えてくるバンドの決意を解説していきます!
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サカナクションはどうして人気バンドになった?
私が初めてサカナクションの音楽に触れたの2010年の「アルクアラウンド」。
サカナクションが世間の注目を集めるきっかけとなった曲です。
私もその一人として友人からこの曲を勧められ、サカナクションにハマっていきました。
「アルクアラウンド」はロックをベースとしつつその上にテクノサウンドを覆いかぶせたようなイメージの楽曲で
当時の私はそれをとても斬新に感じました。
楽曲の完成度もさることながら当時話題を集めたのは楽曲のPVです。
ボーカルの山口一郎さんの歩く姿をカメラが追いながら、
彼の周辺に配置されたオブジェがカメラから見ると歌詞として映るという内容。
CGを使わず緻密な撮影計画をもとに完成された内容であることが瞬時に分かる完成度の高い作品であり、
数々のメディアに取り上げられました。
サカナクションの歌詞が魅力!
サカナクションの魅力の一つはその歌詞にあると思います。
ボーカルの山口一郎さんが書く歌詞は内省的な内容が多い印象です。
山口さん自身の経験をどのようにとらえ、その結果どのような感情や学びを得たのか、得なかったのか。
私はその過程が歌詞に表現されていると感じています。
北海道からの上京、突発性難聴や偶発性頭痛の発症など、様々な苦悩や困難に直面してきている山口一郎さん。
そうした困難に対する想いを聴くことで、私自身も自分の経験を学びに昇華できるような感覚になります。
サカナクションの楽曲にはそうした力があると思っています。
サカナクションのライブが魅力!
サカナクションの独自性は、それまでのロックシーンになかった試験的アプローチを次々と取り入れていくことにあります。
その一つがライブでの音響や映像へのこだわりです。
サカナクションは2013年に世界初の試みとして立体音響を採用。
以後、彼らは数々のライブで音響のみならず映像や光について先進的な表現によりファンを魅了してきました。
サカナクションというバンド名は「サカナ」と「アクション」を組み合わせた造語ですが、
「サカナ」という言葉には真面目にふざけて常に変化を求めていくというバンドの姿勢が表現されています。
こうしたサカナクションの原点がライブ演出にも反映されているということが良く分かります。
サカナクションが「GO TO THE FUTURE」を二度とやらないとは?
「GO TO THE FUTURE」とはどのような楽曲?
サカナクションの「GO TO THE FUTURE」という楽曲を皆さんはご存じですか?
これはサカナクションのメジャーデビューアルバム「GO TO THE FUTURE」の4曲目に収録されている表題曲です。
内容は主に新しい環境に踏み出すことへの不安と、現状に留まりたいとする内面との葛藤が描かれています。
曲のテンポは比較的ゆっくりですがバンドサウンドは力強く、バンドとしての決意を強く感じることができる楽曲です。
なぜ「GO TO THE FUTURE」を二度とやらない?
話題となったライブは2010年10月8日に開催された「SAKANAQUARIUM 21.1 (B)」。
バンド初の日本武道館での公演です。
そのアンコールで「GO TO THE FUTURE」を演奏する際、山口さんは「二度とやらないと言った曲をやります」と発言しました。
わざわざそのような発言をする時点で相当思い入れの強い曲であるということが分かりますが、
なぜ山口さんはそれほど「二度とやらないこと」にこだわっているのでしょうか。
ご本人がその理由を以下のように語っています。
@kmichietei 『GO TO THE FUTURE』ってタイトル通り未来へ進む曲だから、それを繰り返し歌うという行為は、未来へ進めてる事にならない気がしてて。だから二度とやらないと言ってましたけど、武道館ライブからまた未来へ進む決意の為、やらせていただきました。
— 山口 一郎 (@SAKANAICHIRO) October 9, 2010
バンドとして進化を続けていきたいのに、進化していくと過去に宣言した曲を改めて演奏するのはバンドの意志に反するのではないか。
山口さんはそこに矛盾を感じたと言います。
「二度とやらない」発言の真相は?
なぜ「二度とやらない」ということをわざわざ山口さんは宣言しているのか。
それは「GO TO THE FUTURE」の歌詞に「行くしかないのさ」とあるように
その発言によって「サカナクションは過去を振り返ってはならない」ということを
改めて自分たちに戒めているのではないかと思います。
アーティストが自身のライブをどのような場として位置付けているのか。
それは当然アーティストそれぞれに異なります。
ファンの声を聴く場、ファンが聴きたい曲を届ける場、アーティストが届けたい曲を届ける場。
その中でもサカナクションは「彼らの進化を披露する場」として捉えているのではないかと思います。
ライブで音響や映像に徹底的にこだわっているのもそのためではないでしょうか。
そう考えると、「進化を披露する場」でわざわざ進化していくと宣言した曲を演奏する意味がない。
こうした山口さんの発言にもより納得ができると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はサカナクションの楽曲やライブの魅力、そしてボーカルの山口一郎さんが
自身の楽曲を「二度とやらない」と宣言している理由について考察しました。
サカナクションの楽曲はどれもキャッチーでありながらその歌詞でもファンを魅了しています。
またライブの演出へのこだわりは彼ら「進化」を肌で感じることができます。
常に変化を求めていくサカナクションをこれからも応援したいですね!