10代~20代から圧倒的支持を得ているクリーピーナッツ(Creepy Nuts)。
一体何が若者を惹き付けるのか?
歌詞に着目して調査していきます!
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Creepy NutsR-指定の作詞プロセス
作詞担当はR-指定
クリーピーナッツ(Creepy Nuts)はMCのR-指定(あーるしてい)さんとDJを務めるDJ松永(ディージェイまつなが)さんの2人からなるHIPHOPユニットです。
作詞は基本的にR-指定さんが行い、作曲をDJ松永さんが行っているようです。
R-指定さんはULTIMATE MC BATTLE大阪予選にて2010年から2014年まで5年連続で優勝しており、本選では2012年から2014年までグランドチャンピオンになるほどの実力者ラッパーです。
「聖徳太子フリースタイル」ラップ
R-指定さんのフリースタイルラップの武器のひとつに「聖徳太子フリースタイル」というラップスタイルがあります。
聖徳太子フリースタイルとは、観客からお題の言葉をいくつか提供してもらい、その言葉を使用してフリースタイルラップをするというものです。
R-指定さんの語彙の多さがラッパーの中でもトップレベルで、さらに知らない単語は広辞苑で調べていたそうです。
そのような勤勉さがあってこそ、聖徳太子フリースタイルが確立でき、高レベルな作詞にも繋がっているのでしょう。
作詞のプロセスについて
曲作りの方法について、こちらの動画内のインタビューにてR-指定さんも語ってくれています。
動画を見ると、作詞には特にルーティンはなく、毎回作り方は違うようです!
しかし、どんな作り方であっても『言いたいこと』を軸に作詞しているようですね。
韻だけじゃない、Creepy Nutsの歌詞のここがすごい!
ダブルミーニング
ダブルミーニングとは、ひとつの語で二つ以上の意味を持たせることです。日本語では掛詞(かけことば)とも言うようです。
R-指定さんの歌詞にはこのダブルミーニングがいくつも混ぜこまれてこり、読み解きながら聴くのもクリーピーナッツ(Creepy Nuts)の曲の楽しみ方のひとつのようですね。
以下に実際に歌詞に隠されたダブルミーニングをいくつか紹介します。
紙様
紙様はクリーピーナッツ(Creepy Nuts)の曲で最もダブルミーニングがわかりやすいと言われています。
〝No No、プラダ No、フェンディ、
No、エルメス、No、グッチ、 ヒデー男(野口英雄)と言われても仕方ない
一応(一葉)それなりに頑張っちゃいるが
こりゃちょっとした行き違い(諭吉) ゆう てねぇ〟
(歌詞カードより引用)
高級ブランドの名前を並べた後に、お札となっている著名人の名前をダブルミーニングで並べているのがおもしろい言葉遊びとなっていますね。
助演男優賞
助演男優賞はクリーピーナッツ(Creepy Nuts)の曲の中でも人気上位に上がってくる1曲です。
こちらにもダブルミーニングが隠されています!
〝「見せ場はこん位、君の分 」と
頂いたパスなら決めたいぜ
しかも決勝点 スリーポイント
田岡が見逃した不安要素 〟 (歌詞カードより引用)
この歌詞はスラムダンクファンは必見、『こん位、君の分』がメガネ君でお馴染みの(木暮公延)と掛かっています。
さらに『田岡が見逃した不安要素』の田岡とは敵校である陵南高校の監督の名前ですね。
正しくのこのシーンを表すダブルミーニングとなっています。
スラムダンクでのメガネ君の活躍も正しく『助演男優賞』ものですからね。
サンプリング
音楽におけるサンプリングとは、過去の楽曲の一部を流用し、再構築して新たな楽曲を制作する技法です。
サンプリングは自身の主張や曲のテーマがサンプリング元に沿っていないと意味をなさないため、センスが問われます。
以下にR-指定さんが用いたサンプリングの例をいくつかあげていきます。
グレートジャーニー
グレートジャーニーでは、宇多田ヒカルさんのデビューシングル「Automatic」をサンプリングしています。
グレートジャーニー/Creepy Nuts
〝7回目のスヌーズで やっと目を覚ました俺 やべー〟
Automatic/宇多田ヒカル
〝7回目のベルで受話器を取った君〟
7回目のスヌーズとベル、どちらも電話ですが時代を感じさせますね。
生業
生業は「64Bars」のLIVEにゲスト出演する際に、64節フックなしの楽曲を作成しようと出来上がった曲だそうです。
※フックとはラップにおけるサビの部分のこと。
この生業は『今夜はブギーバック』からサンプリングしています。
生業/Creepy Nuts
〝64小節の旅の始まり〟
今夜はブギーバック
〝123を待たずに16小節の旅の始まり〟
Creepy Nutsの歌詞に潜む名言
高校球児に向けて作詞した楽曲
「パッと咲いて散って灰に」という楽曲は「第94回選抜高等学校野球大会」の毎日放送のテーマソングでした。
歌詞の内容は高校球児だけならず、敵いそうもない相手に立ち向かうという経験をした人なら誰でも共感できるのでは無いでしょうか。
R-指定の人柄が生み出す名言
R-指定さんは自らの性格を「根本的に暗い」と話しているようです。
高校時代には「イケてない派のグループ」に属していたのだそう。
creepy nutsのFIRST TAKE、今度は「のびしろ」聞いてるけど「かつて天才だった俺たちへ」といい、初聞きからめちゃめちゃ歌詞が刺さって泣ける😂
のびしろしかないわー!!💃
— tommie🐓 (@tommie_chicken) November 21, 2022
確かに楽曲の歌詞でも自分の弱さや自虐ネタを盛り込んでいることが多いです。
しかしそういった性格も相まって、誰もが経験したことのある痛みや苦しみ、葛藤をラップに取り入れ、名言と言われる歌詞を作成することが出来るのでしょう。
まとめ
クリーピーナッツ(Creepy Nuts)の歌詞は作詞を担当するR-指定さんの努力家であり、ユーモアもあり、比較的暗めな青春を送った経験があるという性格によって作り出された傑作でした。
そして韻だけでなくダブルミーニングやサンプリングを歌詞の中に沢山盛り込んでおり、R-指定さんのラッパーとしてのレベルの高さが伺えます。
音源だけでは深読みすることは難しいかと思いますので、是非歌詞をじっくり読んでみるとクリーピーナッツ(Creepy Nuts)の歌詞に含まれている新たな意味に気づくことが出来るかもしれませんね!